iPhoneの「設定」からユーザ辞書を開くと、自分では登録した覚えのない「雲母坂(きららざか)」という言葉が入っていることがあります。
見慣れない言葉だけに、「誰かが勝手に登録したのでは」「不正アクセスや乗っ取りではないか」と不安になった人もいるかもしれません。
結論からいうと、雲母坂はAppleが日本語のユーザ辞書に用意している変換例です。怪しい言葉ではなく、削除してもiPhoneの動作に問題はありません。
この記事では、雲母坂がiPhoneに入っている理由や実在する場所、削除方法まで詳しく紹介します。
iPhoneのユーザ辞書にある雲母坂とは
「雲母坂」はきららざかと読みます。
iPhoneのユーザ辞書では、「きららざか」という読みと「雲母坂」という単語が組み合わされた状態で登録されています。そのため、文字入力画面で「きららざか」と打つと、「雲母坂」が変換候補に表示されます。
ユーザ辞書は、変換しにくい人名や地名、メールアドレス、定型文などを登録して、少ない入力で呼び出せる機能です。雲母坂は、その機能を分かりやすく示すための見本として使われています。
Appleの公式ユーザガイドにも、次のような説明があります。
例えば、「きららざか」とタイプすると「雲母坂」と入力できます。
公式ガイドでは、これは「あらかじめ設定されているよみ」と説明されています。つまり、第三者が勝手に追加した単語ではありません。
なぜ雲母坂が選ばれたのか
Appleが雲母坂を選んだ正確な理由は公表されていません。
ただし、ユーザ辞書の登録例としては都合のよい言葉です。
- 漢字だけを見ても「きららざか」と読みづらい
- 通常の読み方と漢字の組み合わせに意外性がある
- 実在する日本の地名である
- ユーザ辞書に登録する利点が分かりやすい
「東京」や「大阪」のように普通に変換できる言葉では、ユーザ辞書の必要性が伝わりません。その点、「雲母坂」は難読地名であり、読みと漢字を登録しておく意味を示しやすい言葉です。
したがって、何らかの秘密のメッセージというより、難しい漢字変換の例として選ばれた可能性が高いと考えられます。
ただし、「Appleの日本法人に京都出身者がいた」「開発者に雲母坂との特別な関係があった」といった説を裏付ける公式情報は確認できません。
雲母坂は京都に実在する
雲母坂は架空の地名ではありません。
京都市左京区の修学院付近から比叡山へ続く古い登山道で、比叡山延暦寺へ向かう道の一つとして知られています。
名前の由来には、道の周辺に雲母を含む花崗岩の砂があり、光を受けるときらきら輝いて見えたためという説があります。「雲母」は鉱物の一種で、「うんも」のほか「きらら」とも読まれます。
そのため、
雲母=きらら+坂=ざか
で「きららざか」と読みます。
歴史のある道ですが、日常的にはあまり目にしない難読地名です。この珍しさが、iPhoneに入っていると「謎の言葉」に見える理由でしょう。
勝手に登録されたわけではない
雲母坂が入っていても、不正アクセスやウイルス感染を疑う必要はありません。
ユーザ辞書に自分の登録した言葉が一つもなく、雲母坂だけが表示されている場合もあります。これはAppleが用意した例だけが残っている状態です。
過去には、iOSのアップデートやiCloud同期の不具合が起きた際、「登録していた単語が消えて雲母坂だけになった」という報告もありました。この場合、雲母坂が不具合を引き起こしたわけではありません。もともと用意されている例が表示され、利用者が追加した単語が正しく同期されていないと考えられます。
「雲母坂があること」と「ユーザ辞書の登録内容が消えたこと」は分けて考える必要があります。
雲母坂は削除しても問題ない
雲母坂を使わない場合は、削除しても問題ありません。
これはiPhoneの動作に必要なシステム用語ではなく、ユーザ辞書の使用例です。削除しても、通話、通信、文字入力などの機能には影響しません。
削除手順は次のとおりです。
- 「設定」を開く
- 「一般」を選ぶ
- 「キーボード」を選ぶ
- 「ユーザ辞書」を開く
- 「雲母坂」を左へスワイプする
- 「削除」を選ぶ
機種やiOSのバージョンによっては、画面右上の「編集」から削除します。
残しておいても害はないので、「きららざか」と入力する予定がなければ、削除しても残してもどちらでも構いません。
自分のiPhoneで確認する方法
雲母坂が登録されているかは、次の手順で確認できます。
- 「設定」を開く
- 「一般」をタップする
- 「キーボード」をタップする
- 「ユーザ辞書」を開く
一覧に「雲母坂」、よみに「きららざか」と表示されていれば、Appleが用意した登録例です。
すべての端末で必ず同じように表示されるとは限りません。iOSのバージョン、端末の移行、iCloud同期、過去の削除操作などによって表示状況が異なることがあります。
まとめ
iPhoneのユーザ辞書にある「雲母坂」は、京都に実在する「きららざか」という難読地名です。
Appleは、ユーザ辞書に読みと単語を登録する例として、この言葉をあらかじめ設定しています。誰かが勝手に登録したものでも、不正アクセスの痕跡でもありません。
Appleが数ある難読語の中から雲母坂を選んだ理由までは公表していませんが、通常の変換では読みづらく、ユーザ辞書の便利さを示しやすい言葉だったと考えられます。
削除してもiPhoneの動作には影響しません。使わなければ削除し、気にならなければそのまま残しておいて大丈夫です。