ブラッド・ピット主演の映画『ワールド・ウォーZ』に、再び続編の計画が動き出しました。
ただ、『ワールド・ウォーZ』の続編は今回が初めて企画されたわけではありません。過去には『セブン』『ファイト・クラブ』のデヴィッド・フィンチャーが監督する続編が撮影準備まで進み、2019年に中止されています。
そのため今回の発表を見て、「中止されたフィンチャー版が復活するの?」「前作や原作のどこから続くの?」と疑問に思った人も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、2026年に再始動した続編は、フィンチャー版をそのまま復活させる企画ではありません。 ブラッド・ピットは引き続き出演しますが、監督と脚本家が入れ替わった新しい体制で作られます。
この記事では、2026年版の続編と中止されたフィンチャー版の違い、原作小説との関係、現在までに確定している内容を整理します。
『ワールド・ウォーZ』続編はフィンチャー版の復活ではない
2026年9月に報じられた新しい続編では、次の制作陣が明らかになっています。
| 項目 | 2026年に再始動した続編 |
|---|---|
| 主演 | ブラッド・ピット |
| 監督 | エドワード・ベルガー |
| 脚本 | デニス・ケリー |
| 製作 | ブラッド・ピットのPlan Bほか |
| 公開日 | 未発表 |
| 撮影開始時期 | 未発表 |
| あらすじ | 未発表 |
監督のエドワード・ベルガーは、『西部戦線異状なし』『教皇選挙』などで知られる映画監督です。脚本はドラマ『ユートピア』やミュージカル映画『マチルダ・ザ・ミュージカル』などを手掛けたデニス・ケリーが担当します。
一方、以前の続編はデヴィッド・フィンチャーが監督を務める予定でした。つまり、監督だけでなく脚本の制作体制も刷新されています。
現時点で、フィンチャー版の脚本や設定を新作へ流用するという発表はありません。したがって、今回の企画はフィンチャー版の制作再開ではなく、同じ第1作から枝分かれした新たな続編と捉えるのが自然です。
旧フィンチャー版はどこまで進んでいた?
『ワールド・ウォーZ』は2013年に公開され、世界興行収入5億4000万ドル超を記録しました。
続編は早い段階から検討され、当初はJ・A・バヨナが監督候補になりましたが、その後降板。2017年にはデヴィッド・フィンチャーが監督として正式に参加しました。
フィンチャーはブラッド・ピットと『セブン』『ファイト・クラブ』『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』で組んでおり、再タッグへの期待も高まっていました。
企画は単なるアイデア段階ではなく、2019年の撮影開始を目指して準備が進められていたと報じられています。しかし、同年2月に製作中止となりました。
当時は製作費、撮影日程、中国市場でゾンビ映画を公開しにくい事情など、複数の理由が報じられました。ただし、パラマウントが一つの理由だけを公式な中止原因として詳しく説明したわけではありません。
したがって、「中国で公開できないから中止された」「予算だけが原因だった」と一つに決めつけるより、大規模作品として採算や公開市場を成立させにくかったことが背景にあったと見るのが妥当です。
新しい続編と旧フィンチャー版の違い
現在分かっている範囲を比較すると、次のようになります。
| 比較点 | 中止されたフィンチャー版 | 2026年の新企画 |
|---|---|---|
| 監督 | デヴィッド・フィンチャー | エドワード・ベルガー |
| 主演 | ブラッド・ピット | ブラッド・ピット |
| 主人公 | ジェリー・レインの続投予定 | ジェリー・レインの続投が報じられている |
| 制作状況 | 撮影準備後、2019年に中止 | 監督・脚本家が決まり開発中 |
| 脚本の関係 | 旧企画用に開発 | デニス・ケリーが新たに担当 |
| 物語 | 正式なあらすじは公表されず | 正式なあらすじは未発表 |
共通するのは、ブラッド・ピットが主人公ジェリー・レインを再び演じる点です。しかし、それだけで旧企画の復活とはいえません。
監督と脚本家の両方が交代した以上、映像の方向性や物語も改めて組み立てられる可能性が高いでしょう。
前作のどこから続くのか
新作は2013年版の物語を引き継ぐ続編として報じられています。
前作の終盤でジェリーは、重い病気にかかった人間をゾンビが襲わない性質に気づきました。人間は治療可能な病原体を一時的に体へ入れ、ゾンビから認識されにくくする「カモフラージュ」を利用して反撃を始めます。
ただし、これはゾンビを倒すワクチンや、感染者を人間へ戻す治療薬ではありません。人類が滅亡を回避する手段を得ただけで、ゾンビとの戦争そのものは終わっていません。
このため、新作が自然に続けられる地点は次の2つです。
- カモフラージュを利用した人類の反攻
- 世界各地に残るゾンビや、対策が通用しない新たな危機
原作小説の続きが映画になるわけではない
映画『ワールド・ウォーZ』は、マックス・ブルックスの小説『WORLD WAR Z』を原作としています。しかし、映画と小説は物語の形式が大きく異なります。
原作は、ゾンビ戦争が終わった後に世界各国の生存者へ行ったインタビューを集めた「口述記録」です。一人の主人公が世界を移動しながら原因や対策を探す物語ではありません。
映画の主人公ジェリー・レインも、原作小説に同じ人物として登場するキャラクターではなく、映画のために作られた存在です。
そのため、新作は「原作の後半」や「原作第2巻」を映画化するものではありません。そもそも原作には、ジェリーを主人公にした続きが存在しないためです。
一方で、原作には2013年版で十分に使われなかった国や社会のエピソードが数多くあります。新作がそこから設定や事件を取り入れる可能性はありますが、現時点では発表されていません。
タイトルは『ワールド・ウォーZ2』で確定している?
報道では便宜上『World War Z 2』と呼ばれていますが、正式な作品名はまだ発表されていません。
日本語でも『ワールド・ウォーZ2』と紹介される可能性はありますが、別の副題が付くことも考えられます。公開日、追加キャスト、撮影開始時期とともに、正式タイトルは今後の発表待ちです。
まとめ
2026年に動き出した『ワールド・ウォーZ』続編は、2019年に中止されたデヴィッド・フィンチャー版をそのまま復活させる作品ではありません。
- ブラッド・ピットはジェリー・レイン役で続投
- 監督はエドワード・ベルガーへ交代
- 脚本はデニス・ケリーが担当
- フィンチャー版の脚本を流用するとの発表はない
- 原作小説の直接的な続編でもない
- 公開日、撮影時期、正式タイトル、あらすじは未発表
つまり、前作の主人公と世界観を引き継ぎながら、新しい制作陣が一から組み直す続編です。
前作は人類が反撃の方法を見つけたところで終わっているため、その後のゾンビ戦争を描く余地は十分に残っています。今後は、撮影開始や正式タイトルだけでなく、旧フィンチャー版とは異なる物語の方向性が示されるかにも注目です。
参考情報
※本記事は2026年9月21日時点で公表・報道されている情報を基にしています。


