映画『ハート・オブ・ビースト』オーディン役はウーバー|犬の結末と撮影方法

映画『ハート・オブ・ビースト』で、ブラッド・ピット演じるジェームズと行動を共にする元偵察犬オーディン。

険しい山道を進み、ジェームズを助けようとする姿があまりに自然なため、「オーディン役はどんな犬なのか」「本当に義足なのか」「危険な場面はどう撮影したのか」と気になった人も多いのではないでしょうか。

オーディンを主に演じたのは、ウーバーという名前のジャーマン・シェパードです。ただし、すべての場面をウーバー1頭で撮影したわけではありません。ウーバーの息子であるシーカ、ライカー、ホンドーも参加し、場面に応じて4頭が役割を分担しています。

また、劇中のオーディンは義足ですが、ウーバーが実際に脚を失っているわけではありません。傷痕や義足はオーディンというキャラクターを表現するための映画上の設定です。

この記事では、オーディン役の犬たちの経歴、ブラッド・ピットとの撮影方法、気になる物語の結末を整理します。

オーディン役の中心はジャーマン・シェパードのウーバー

オーディン役の中心を務めたウーバーは、ニュージーランドで暮らしていたジャーマン・シェパードです。

デヴィッド・エアー監督によると、製作陣はニュージーランド各地で犬のオーディションを実施しました。その中から、アニマルコーディネーターのアンドリュー・シンプソンがウーバーを見つけています。

ウーバーには映画出演以前から、警察犬や山岳での捜索救助犬として活動した経験がありました。ヘリコプターに乗った経験もあったため、音や乗り物に慣れていたことも、過酷な環境で行動する元偵察犬役に適していた理由です。

ただし、ウーバーが実際に軍で働いていたわけではありません。

  • 実際のウーバー:警察犬・捜索救助犬として活動した経験を持つ犬
  • 劇中のオーディン:ジェームズと戦地を経験した元軍用偵察犬

ブラッド・ピットは撮影舞台裏の映像で、ウーバーを「この映画のスター」「コールシートの1番」と紹介しています。主演俳優の脇にいる動物ではなく、もう一人の主役として扱われていたことが分かります。

オーディンはウーバーと3頭の息子が演じた

オーディンを演じた犬は、ウーバーだけではありません。

ウーバーの実の息子である次の3頭も撮影に参加しました。

犬の名前撮影での役割
ウーバーオーディン役の中心。表情や静かな感情表現を伴う場面を主に担当
シーカ場面に応じてウーバーを補助
ライカー丸太を渡る場面など、身体能力が必要なアクションを担当
ホンドー場面に応じてウーバーを補助

4頭は親子で体格や外見が似ているため、画面上では同じオーディンとして自然につながります。

アンドリュー・シンプソンは、脚本を場面ごとに分解し、犬の性格や得意分野に合わせて担当を決めたと説明しています。落ち着いた場面はウーバー、丸太を渡るような動きの大きい場面はスタント役のライカーという具合です。

つまり、危険な行動をウーバー1頭に無理にさせたのではなく、4頭の得意な動きを組み合わせてオーディンの演技を作っています。

ウーバーは本当に義足ではない

劇中のオーディンは、戦地で負傷したため片脚に義足を装着し、歯の一部も人工のチタン製になったという設定です。夜には悪夢にうなされ、ジェームズと同じように戦争の傷を抱えています。

しかし、ウーバーや息子たちが実際に片脚を失っているわけではありません。

エアー監督は、撮影時の犬について、傷痕を加えるヘアメイクや衣装を施し、マイクと音声用パックも装着していたと説明しています。AP通信も、4頭の実犬による演技を中心に、必要な部分へ少量のCGを使用したと報じています。

したがって、オーディンの義足は次のように整理できます。

  • 義足と戦傷はオーディンの人物像を示すための劇中設定
  • ウーバー本人は四肢のある犬
  • 基本の演技はウーバーら実犬が担当
  • 傷痕、装具、映像処理を組み合わせてオーディンの外見を作った

義足の表現に使われた装具とCGの詳細な割合までは公表されていません。

ブラッド・ピットも犬を動かす合図を学んだ

撮影前、ブラッド・ピットは犬舎へ通い、シンプソンから犬への合図や訓練方法を学びました。単に撮影直前にウーバーと顔を合わせたのではなく、一緒に時間を過ごして信頼関係を築いています。

これは、ジェームズとオーディンが長年行動を共にしてきた相棒に見えるようにするためです。

撮影では、トレーナーが画面外からすべての指示を出すだけでなく、ピット自身もウーバーへ合図を送っています。犬の動きに合わせて芝居を調整する一方、ウーバーが予定どおり動かない時には、その偶然も演技へ取り入れました。

ただし、犬との撮影は人間の俳優同士のようには進みません。感情的な場面でも犬が別の方向へ歩き出すことがあり、ピットは犬の集中や反応に合わせながら撮影を続けたと振り返っています。

台本どおりの動きだけでなく、現場で生まれた自然な反応を残したことが、オーディンの表情を作り物に見せない理由の一つです。

野生動物はCGでオーディンは実犬が中心

『ハート・オブ・ビースト』には、オーディンが野生動物と対峙する場面もあります。

レビューや製作情報によると、オーディンは実犬の演技が中心ですが、クマやオオカミなどの野生動物はVFXで作られています。実犬を危険な野生動物と直接接触させて撮影したわけではありません。

ロケはアラスカではなく、主にニュージーランド南島で行われました。氷河を含む人里離れた場所での撮影だったため、犬たちには約5週間の準備期間が設けられ、場面ごとの動きが訓練されています。

オーディンの演技がリアルに見えるのは、すべてをCGで作ったからではありません。実犬の表情と動きを中心に撮影し、危険を伴う部分や劇中設定に必要な部分を映像技術で補った結果です。

オーディンは最後まで生き残る

結論からいうと、オーディンは劇中で命を落としません。

予告編には墜落、負傷、激流、野生動物との対決などが映るため、犬が犠牲になる物語を想像した人もいたでしょう。しかし、製作のリチャード・レイモンドは公開前の2026年6月11日、観客を安心させるためにオーディンが生き残ることを公表しました。

エアー監督もインタビューで、犬は生き残ると明言しています。したがって、単なるファンの予想ではなく、製作陣が正式に明かした結末です。

物語の途中ではオーディンが重傷を負い、ジェームズと離れ離れになるため、生死が分からないように見える場面があります。それでも、オーディンが死亡する結末ではありません。

この情報は大きなネタバレではありますが、「犬がつらい目に遭う映画を見られない」という観客にとっては、鑑賞を判断するための重要な情報です。製作陣が公開前にあえて明かしたのも、その不安を取り除くためでした。

まとめ

『ハート・オブ・ビースト』のオーディン役を主に演じたのは、ジャーマン・シェパードのウーバーです。

ウーバーは映画出演前から警察犬や捜索救助犬として活動した経験を持ち、その実の息子であるシーカ、ライカー、ホンドーも撮影に参加しました。静かな芝居はウーバー、身体能力が必要な場面は息子の犬というように、4頭が役割を分担しています。

一方、義足やチタン製の歯、戦地で負った傷はオーディンの劇中設定です。ウーバー本人が義足なのではなく、実犬の演技にメイク、装具、必要最小限のCGを組み合わせて表現しています。

そして、製作陣が公開前に明言したとおり、オーディンは最後まで生き残ります。危険な場面が続く作品ですが、犬が死亡する結末ではありません。