映画『白鳥とコウモリ』を見た後、「この物語には続きがあるの?」「和真と美令のその後も描かれている?」と気になった人もいるでしょう。
結論からいうと、原作小説には『架空犯』というシリーズ第2作があります。
ただし、『架空犯』は倉木和真と白石美令の物語を描く直接的な後編ではありません。
『白鳥とコウモリ』で事件を捜査した五代努が再登場し、別の事件を追う作品です。同じ世界と人物を一部引き継いだ「五代刑事シリーズの第2作」と考えると分かりやすいでしょう。
この記事では、『架空犯』とのつながり、再登場する人物、読む順番、映画化の有無を紹介します。
『白鳥とコウモリ』の続編は『架空犯』
『架空犯』は、東野圭吾さんが作家生活40周年記念作品として発表した長編ミステリーです。2024年11月1日に幻冬舎から発売されました。
出版社は『白鳥とコウモリ』と『架空犯』を同じシリーズとして紹介しています。
読む順番は次のとおりです。
- 『白鳥とコウモリ』
- 『架空犯』
ただし、前作の事件が未解決のまま続くわけではありません。
『架空犯』では新しい事件が発生し、五代刑事が別の相棒と捜査に当たります。
『架空犯』は映画の直後を描く後編ではない
「続編」という言葉から、松村北斗さん演じる倉木和真と、今田美桜さん演じる白石美令のその後を想像する人もいるでしょう。
しかし、『架空犯』の中心になるのは、和真と美令ではありません。
新たに描かれるのは、都議会議員の藤堂康幸と、元女優である妻・江利子が自宅の火災で死亡する事件です。
当初は無理心中と思われましたが、遺体に不審な点が見つかり、殺人事件として捜査が始まります。
前作との違いを整理すると、次のようになります。
| 項目 | 白鳥とコウモリ | 架空犯 |
|---|---|---|
| 主な事件 | 弁護士殺害事件 | 都議夫婦の死亡・放火事件 |
| 主な舞台 | 東京・愛知 | 主に東京 |
| 捜査する刑事 | 五代と中町 | 五代と山尾 |
| 民間側の中心人物 | 和真と美令 | 藤堂夫妻の家族・関係者 |
| 共通する中心人物 | 五代努 | 五代努 |
同じ事件の続きを描く「後編」ではなく、五代が新しい事件を担当するシリーズ作品です。
五代刑事が再登場する
前作から明確に引き継がれる人物が、警視庁捜査一課の刑事・五代努です。
映画『白鳥とコウモリ』では柄本佑さんが演じています。
五代は派手な推理を披露する探偵タイプではなく、関係者の話を聞き、現場へ何度も足を運び、小さな違和感を積み上げていく刑事です。
『白鳥とコウモリ』では和真と美令が物語の前面に出ていますが、『架空犯』では五代の捜査がより中心になります。
『架空犯』の五代は、都議夫婦の事件を担当し、所轄の刑事・山尾陽介と組んで捜査を進めます。
前作の相棒だった中町ではなく、新しい人物との組み合わせになる点も特徴です。
中町刑事は続投しない?
『白鳥とコウモリ』で五代と行動していたのは、所轄刑事の中町です。映画では前原滉さんが演じています。
一方、『架空犯』で五代と組むのは、生活安全課の警部補・山尾陽介です。
そのため、五代と中町のコンビがそのまま続く作品ではありません。
捜査一課の五代が事件の発生した地域へ派遣され、その所轄署の刑事と組む構成と考えれば、相棒が変わるのも不自然ではないでしょう。
和真と美令のその後は描かれる?
『架空犯』は、倉木和真と白石美令のその後を描く作品ではありません。
『白鳥とコウモリ』の物語を引き継ぐのは、主に五代刑事と作品世界です。
したがって、
- 和真と美令が新しい事件を一緒に解決する
- 二人の恋愛関係が描かれる
- 前作の事件が再び中心になる
という内容を期待すると、少し方向性が異なります。
映画を見て和真と美令の関係が気になった場合は、まず原作『白鳥とコウモリ』を読むのがおすすめです。映画では省略された心情や行動を確認できる可能性があります。
『架空犯』だけ読んでも分かる?
『架空犯』では新しい事件と新しい関係者が登場するため、単独でも事件の内容は理解できます。
ただし、五代が過去に担当した事件や刑事としての経験を知っておくなら、『白鳥とコウモリ』から読むのが自然です。
おすすめの順番は次のとおりです。
映画から入った場合
- 映画『白鳥とコウモリ』
- 小説『白鳥とコウモリ』
- 小説『架空犯』
映画だけでは省略された原作の人物や心理描写を確認してから『架空犯』へ進めます。
『架空犯』も映画化される?
2026年9月4日時点で、『架空犯』の映画化は発表されていません。
今後の可能性として注目されますが、
- 続編映画の製作決定
- 柄本佑さんの続投
- 山尾刑事のキャスト
- 公開時期
はいずれも未発表です。映画の興行成績や公式発表を待つ必要があります。
『白鳥とコウモリ』はシリーズ化を前提にした作品?
原作には第2作が存在しますが、映画公式から「五代刑事シリーズとして継続する」とは発表されていません。
映画『白鳥とコウモリ』は松村北斗さんと今田美桜さんのW主演で、五代は重要な刑事役ながら、映画の主人公として単独で位置付けられているわけではありません。
一方、原作シリーズとして見れば、『架空犯』では五代の存在感が強くなります。
東野圭吾作品には、加賀恭一郎シリーズやガリレオシリーズのように、同じ捜査役が複数の事件へ登場する作品があります。五代も今後さらにシリーズを重ねる可能性はありますが、現段階では発表されていません。
まとめ
『白鳥とコウモリ』には、『架空犯』というシリーズ第2作があります。
ただし、倉木和真と白石美令の関係をそのまま描く直接的な後編ではありません。
- 前作から五代努が再登場
- 新しい事件を捜査する
- 相棒は中町から山尾へ変更
- 和真と美令は物語の中心ではない
- 単独でも読めるが、前作から読むのがおすすめ
- 『架空犯』の映画化は未発表
映画からシリーズに興味を持った場合は、映画版、原作『白鳥とコウモリ』、『架空犯』の順で進むと、五代刑事の役割と作品世界を理解しやすくなります。

