『ダウンタイム』渡部篤郎のリフトアップ手術は本物?特殊メイクの撮影方法

Netflixシリーズ『ダウンタイム』で、渡部篤郎さんが演じる遠山新のリフトアップ手術。顔の皮膚を切開し、引き上げていく映像があまりにリアルで、「本当に手術をしているの?」「渡部篤郎本人の顔を使っている?」と驚いた人も多いのではないでしょうか。

結論からいうと、渡部篤郎さんが撮影のために実際のリフトアップ手術を受けたわけではありません

『ダウンタイム』の手術場面や施術後の顔は、特殊メイクアップアーティストのAmazing JIROさん率いるチームが担当した特殊メイク・特殊造形です。俳優ごとに作られた人工皮膚や顔の造形に、撮影とVFXを組み合わせて、本物の手術のような映像に仕上げたと考えられます。

この記事では、公式に発表されている制作情報をもとに、渡部篤郎さんのリフトアップ手術がどのように撮影されたのかを解説します。

渡部篤郎のリフトアップ手術は本物ではない

渡部篤郎さんが演じる遠山新は、美容整形業界で大きな影響力を持つ人物です。その遠山が手術を受ける場面では、皮膚の質感や切開部分、引き上げられる顔の動きまで細かく映し出されます。

しかし、俳優本人に本物のメスを入れて撮影することはありません。渡部さんが作品のためにフェイスリフトを受けたという発表や報道も確認できません。

Netflixは、『ダウンタイム』に登場する患者の「施術前・ダウンタイム・施術後」の顔について、Amazing JIROさん率いるチームが俳優一人ひとりに合わせてオーダーメイドで造形したと発表しています。

Amazing JIROさん側も、美容整形のビフォーアフターだけでなく、手術場面の特殊メイクと造形を担当したと明らかにしています。

したがって、渡部さんのリフトアップも、実際の施術ではなく特殊メイクと特殊造形によって再現された場面と考えてよいでしょう。

リアルに見えたのは俳優ごとのオーダーメイド造形だから

一般的な傷メイクであれば、俳優の皮膚に特殊な材料を重ね、色をつけることで切り傷や腫れを表現できます。

しかし、フェイスリフトの手術では、皮膚を切開するだけでなく、皮膚が持ち上がり、その下の組織が見える動きまで必要です。表面に傷を描くだけでは、あの立体的な映像にはなりません。

『ダウンタイム』では俳優一人ひとりに合わせた造形が作られているため、渡部さんの顔の形や肌の質感に近づけた、次のようなパーツが使われた可能性があります。

  • 顔型に合わせた薄い人工皮膚
  • 切開部分を再現するシリコン製のパーツ
  • 持ち上げられる皮膚と、その下の組織を再現した造形物
  • 血液や皮下組織を表現する特殊塗装
  • 接写用に制作された顔のダミー

これらの具体的な素材や使用箇所は公表されていません。そのため、渡部さんの顔に人工皮膚を装着したのか、接写では別の顔型を使用したのかまでは断定できません。

ただし、皮膚を大きく引き上げるカットまで本人の素肌だけで撮影するのは困難です。本人の顔に装着した造形と、手術の接写に耐えられる精密なダミーを場面ごとに使い分けたと考えるのが自然です。

本人の顔と造形物をカットでつないだ可能性が高い

あの場面が本物らしく見える理由の一つは、「渡部篤郎さんが横たわっている映像」と「皮膚を操作する接写」が、途切れない手術のように編集されていることです。

『ダウンタイム』のスタッフには、特殊メイク・特殊造形を担当するAmazing JIROさんだけでなく、VFXスーパーバイザーも参加しています。このため、すべてをCGで作ったというより、実物の造形を撮影し、必要な部分をVFXで補正した可能性が高いでしょう。

Amazing JIROとはどんな人物?

Amazing JIROさんは、特殊メイクや特殊造形、ボディペイントなどを手掛けるアーティストです。

『ダウンタイム』では「特殊メイク特殊造形ディレクション」を担当。患者ごとに異なる施術前の顔、腫れや内出血が残るダウンタイム、施術後の姿まで制作しています。

単に俳優を別人のように見せるのではなく、同じ人物の顔が施術によって段階的に変化する様子を作らなければなりません。そのためには、次の状態を一貫した顔として設計する必要があります。

  • 手術を受ける前の顔
  • 手術直後の腫れや傷
  • 回復途中の顔
  • 腫れが引いた完成後の顔

患者一人ひとりにオーダーメイドの造形を用意したのは、同じ人物の変化として違和感なく見せるためでしょう。

渡部さんの手術場面も、こうした作品全体の設計の中で作られています。傷口だけをリアルにしたのではなく、渡部さんの骨格や皮膚の特徴に合わせたことで、本物の顔を手術しているように見えたと考えられます。

医療監修もリアリティを高めている

特殊メイクが精密でも、医師の手の動きや器具の使い方が不自然であれば、手術には見えません。

『ダウンタイム』は美容整形業界をリサーチして制作され、美容外科の監修も入っています。手術室の配置、医療器具、術者とスタッフの動きなどが現実の医療現場に近づけられているため、造形物だけが浮いて見えません。

渡部さんの場面がリアルだったのは、特殊メイクの出来だけではなく、次の要素が重なった結果です。

  • 顔に合わせた精密な特殊造形
  • 血液や皮下組織の色と質感
  • 美容外科の手術を意識した器具と手順
  • 俳優や医師役の細かな動き
  • 接写を多用した撮影
  • 音響効果
  • 編集とVFXによる仕上げ

特に、皮膚が動く映像に器具の音や湿った効果音が加わると、視聴者は触感まで想像します。映像だけでなく音も、あの生々しさを作る重要な要素だったはずです。

実際のフェイスリフトと同じように見える理由

フェイスリフトは、顔の皮膚やその下の組織を引き上げ、たるみを改善する手術です。一般に、耳の周辺などを切開して組織を調整し、余分な皮膚を処理します。

『ダウンタイム』の場面では、皮膚を表面から引っ張るだけでなく、その下にある層まで意識したような立体感がありました。この点が、単なる「顔を引っ張る演技」には見えなかった理由です。

もちろん、ドラマの映像は実際の手術記録ではありません。演出上、手術の工程を分かりやすく見せるために省略や強調が加えられている可能性があります。

そのため、作品の場面を見て実際の手術方法や危険性を判断するのではなく、あくまで医療監修を取り入れたフィクションとして見る必要があります。

渡部篤郎本人がリフトアップしたように見えた理由

渡部さん本人が施術したように感じられた最大の理由は、造形が顔から浮かず、俳優の表情と一体化していたからでしょう。

特殊メイクでは、装着したパーツの縁、色、光の反射が本人の肌と違うと、すぐに作り物だと分かります。ところが『ダウンタイム』では、人工皮膚と実際の肌の境目がほとんど意識されません。

さらに、視聴者が見慣れている渡部さんの顔が使われていることで、「本当に本人の皮膚を動かしている」という錯覚が生まれます。

実際には、本人の顔を撮影したカットと特殊造形の接写を巧みに組み合わせ、同じ手術場面として成立させていると考えられます。

まとめ

『ダウンタイム』で描かれた渡部篤郎さんのリフトアップ手術は、本物の施術ではありません。

Netflixの公式情報によると、作品内の施術前、ダウンタイム、施術後の姿や手術場面は、Amazing JIROさん率いるチームが特殊メイクと特殊造形を担当しています。渡部さんの場面も、本人の顔に合わせた人工皮膚や精密な造形物を使用して撮影されたと考えられます。

さらに、美容外科の監修、手術を意識した俳優の動き、接写、音響、編集、VFXが加わったことで、本当のリフトアップ手術のような映像になりました。

使用した素材や、本人の顔とダミーを切り替えた正確な場所までは公表されていません。しかし、渡部さん本人が施術を受けたのではなく、特殊造形を中心に作られた場面であることは、公式の制作情報から確認できます。

「作り物だと分かっていても本物に見える」という感覚こそ、『ダウンタイム』の特殊メイク技術の高さを示しているのではないでしょうか。