アメリカを代表するカントリー歌手のドリー・パートンさんが、2026年8月25日に80歳で亡くなりました。
日本では名前に馴染みがない方もいるかもしれませんが、「Jolene(ジョリーン)」や「9 to 5」など数々のヒット曲を生み出した、世界的なシンガーソングライターです。
そして、ホイットニー・ヒューストンさんの代表曲として知られる「I Will Always Love You(オールウェイズ・ラヴ・ユー)」を作詞・作曲し、最初に歌った人物でもあります。
この記事では、ドリー・パートンさんとはどんな人なのか、代表曲やホイットニー・ヒューストンさんとの関係などを分かりやすく紹介します。
ドリー・パートンとは誰?
ドリー・パートンさんは、アメリカのカントリー歌手・シンガーソングライター・俳優・実業家・慈善活動家として活躍した人物です。
本名はドリー・レベッカ・パートン(Dolly Rebecca Parton)。
1946年1月19日にアメリカ・テネシー州で生まれ、12人きょうだいの4番目として育ちました。
幼い頃から音楽に親しみ、10歳ごろには地元のテレビやラジオに出演。高校卒業後に音楽の街として知られるナッシュビルへ移り、本格的に音楽活動を始めます。
1967年にはデビューアルバム『Hello, I’m Dolly』を発売。その後、カントリーを中心に数々のヒット曲を生み出しました。
長年の活動を通して世界で1億枚以上のレコードを売り上げ、カントリー・ミュージックの殿堂だけでなく、2022年にはロックの殿堂にも選ばれています。
音楽だけでなく映画への出演やテーマパーク「Dollywood(ドリーウッド)」の運営、子どもたちへ本を届ける活動などにも取り組み、幅広い分野で知られる存在となりました。
ドリー・パートンの代表曲は?
ドリー・パートンさんには数多くの楽曲がありますが、特に有名なのが次の3曲です。
Jolene(ジョリーン)
1973年に発表された、ドリー・パートンさんを代表する楽曲のひとつです。
「Jolene」という女性に、自分の恋人を奪わないでほしいと訴えかける内容の楽曲で、印象的なメロディーと歌声から世界的に知られるカントリーソングとなりました。
長年にわたってさまざまなアーティストにカバーされており、世代を超えて聴き継がれています。
9 to 5(ナイン・トゥ・ファイブ)
「9 to 5」は1980年に発表されたヒット曲です。
ドリー・パートンさん自身が出演した同名映画『9時から5時まで』の主題歌として制作されました。
アメリカのBillboard Hot 100で1位を記録するなど、カントリーの枠を超えて大きなヒットとなっています。
I Will Always Love You(オールウェイズ・ラヴ・ユー)
そして、日本でも非常によく知られているのが「I Will Always Love You」です。
タイトルを見ても分からない方でも、
「映画『ボディガード』でホイットニー・ヒューストンが歌っていた曲」
と聞けば、思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
実はこの曲こそ、ドリー・パートンさんとホイットニー・ヒューストンさんを結びつける重要な楽曲です。
ホイットニー・ヒューストンとの関係は?
ドリー・パートンさんとホイットニー・ヒューストンさんの関係を知るうえで欠かせないのが、「I Will Always Love You」です。
この曲はホイットニー・ヒューストンさんのオリジナル曲ではありません。
作詞・作曲したのはドリー・パートンさんで、最初に歌ったのもドリー・パートンさんです。
ドリー・パートンさんは1973年にこの曲を書き、翌1974年に発表しました。
その後、1992年にホイットニー・ヒューストンさんがカバー。
映画『ボディガード』の主題歌として世界的な大ヒットとなり、ホイットニー・ヒューストンさんを代表する楽曲のひとつになりました。
そのため、
原曲・作詞作曲:ドリー・パートン
世界的大ヒットとなったカバー:ホイットニー・ヒューストン
という関係になります。
「I Will Always Love You」は恋愛の歌ではなかった?
ホイットニー・ヒューストンさんの壮大な歌唱と映画『ボディガード』のイメージから、「I Will Always Love You」を恋愛の別れを歌った曲だと思っている方も多いかもしれません。
しかし、ドリー・パートンさんがこの曲を書いたきっかけは恋愛ではなく、仕事上の別れでした。
当時、ドリー・パートンさんはカントリー歌手のポーター・ワゴナーさんが出演するテレビ番組に参加し、長年にわたって一緒に活動していました。
やがて独立してソロ活動に専念したいと考えるようになり、その気持ちをワゴナーさんへ伝えるために書いたのが「I Will Always Love You」です。
つまり本来は、
「あなたのもとを離れるけれど、これからもあなたを大切に思っています」
という恩人への別れの気持ちから生まれた楽曲だったのです。
ドリー・パートンさん自身のバージョンも1974年にアメリカのカントリーチャートで1位を獲得しました。
なぜホイットニー・ヒューストンが歌うことになった?
1992年公開の映画『ボディガード』で、主演のホイットニー・ヒューストンさんが「I Will Always Love You」をカバーしました。
この曲を映画に使用するうえで大きな役割を果たしたのが、共演者のケビン・コスナーさんです。
映画で使用する別の楽曲を探すことになった際、「I Will Always Love You」が候補となり、ホイットニー・ヒューストンさんによるカバーが実現しました。
ホイットニー版では冒頭をアカペラで歌うなど、ドリー・パートンさんのカントリー調の原曲とは大きく異なるアレンジが施されています。
その結果、楽曲は世界的な大ヒットを記録。
映画『ボディガード』のサウンドトラックも世界的な成功を収め、「I Will Always Love You」はホイットニー・ヒューストンさんを象徴する楽曲となりました。
実はエルヴィス・プレスリーも歌う予定だった?
「I Will Always Love You」には、もうひとつ有名なエピソードがあります。
ホイットニー・ヒューストンさんがカバーするより前に、エルヴィス・プレスリーさんもこの曲を歌いたいと希望していました。
しかし、エルヴィス側のマネジメントから楽曲の出版権の一部を譲ることを求められたため、ドリー・パートンさんは断ったとされています。
結果としてエルヴィス版は実現しませんでした。
ドリー・パートンさんが楽曲の権利を手放さなかったことで、その後ホイットニー・ヒューストン版が世界的大ヒットとなった際にも、作詞・作曲者として大きな成功につながりました。
歌手だけではないドリー・パートンの活動
ドリー・パートンさんは、音楽以外の活動でも知られています。
俳優として『9時から5時まで』『マグノリアの花たち』などの映画に出演。
また、テネシー州には自身の名前を冠したテーマパーク「Dollywood(ドリーウッド)」があります。
慈善活動にも力を入れており、特に有名なのが「Imagination Library(イマジネーション・ライブラリー)」です。
子どもたちへ無料で本を届ける活動で、父親が読み書きに苦労していた経験などが設立の背景にありました。
派手な衣装や大きなブロンドヘアという印象的な姿だけでなく、ソングライター、実業家、慈善活動家としても大きな足跡を残した人物です。
まとめ
ドリー・パートンさんは、アメリカを代表するカントリー歌手・シンガーソングライターです。
代表曲には、
- 「Jolene」
- 「9 to 5」
- 「I Will Always Love You」
などがあります。
特に「I Will Always Love You」はホイットニー・ヒューストンさんの歌として世界的に知られていますが、もともとはドリー・パートンさんが作詞・作曲し、自ら歌った楽曲です。
長年一緒に活動したポーター・ワゴナーさんとの仕事上の別れをきっかけに生まれ、その約20年後、ホイットニー・ヒューストンさんのカバーによって世界的な名曲となりました。
2026年8月25日に80歳で亡くなったドリー・パートンさん。
「I Will Always Love You」をはじめとする数々の楽曲とともに、その名前も長く語り継がれていくことでしょう。