1996年の第1作公開から約30年にわたり続いてきた、人気スパイアクション映画「ミッション:インポッシブル」シリーズ。
2025年5月公開の最新作『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』でシリーズ第8作目となり、2部作構成のクライマックスとして位置づけられています。
この記事では各作品ごとに重要なあらすじ、主要キャラクターと敵、他のシリーズ作品とのつながりについてまとめます。
特に最新作「ファイナル・レコニング」に深く関係する部分に触れていますので、劇場に行く前にしっかり復習をしてくださいね!
第1作 『ミッション:インポッシブル』(1996年)
アメリカCIAの極秘組織IMFに所属する凄腕エージェント、イーサン・ハント(トム・クルーズ)は、プラハでの作戦中にチームが何者かの裏切りで全滅し、自身だけが生き残ります。
CIAのキトリッジ局員から内通者として疑われたイーサンは逮捕を逃れ、汚名を晴らすために逃亡して独自に真犯人を追うことに。
武器商人「マックス」と接触して情報を得たイーサンは、新たに集めた仲間とともにCIA本部に潜入し、極秘情報リストを盗み出す大胆な作戦に打って出ます。
物語終盤、イーサンは高速列車上で黒幕を暴き、裏切り者を追い詰めることに成功します。
こうしてIMF上層部にも真相が伝わり、イーサンの濡れ衣は晴らされました。
主な登場人物と敵
- イーサン・ハント
IMFの若きエージェント。チーム唯一の生存者となり、真犯人捜しに奔走する主人公。 - ジム・フェルプス
IMFチームリーダーでイーサンの上司的存在。実は今回の事件の裏でチームを裏切った黒幕。 - クレア・フェルプス
ジムの妻でIMFチームメンバー。作戦失敗後に生存してイーサンに合流するが、夫ジムの陰謀に加担していた節がある。 - ルーサー・スティッケル
闇社会で有名な一流ハッカー。イーサンが新たにスカウトし、CIAから極秘リストを盗み出す作戦を支援する。以後シリーズ全作でイーサンの頼れる仲間となる。 - ユージーン・キトリッジ
CIAの局員でIMFを監督する立場。作戦失敗の背後に内通者がいると睨み、イーサンを裏切り者と断定して追跡する。 - マックス
闇の武器商人。盗み出されたNOCリストの買い手として登場する老婦人。イーサンは彼女を利用して内通者を突き止めようと交渉する。
本作で初登場したIMFの仲間たちや設定は後の作品にも大きく影響します。
イーサンに協力したハッカーのルーサーはその後も全作品に登場し、シリーズを通して最も長くイーサンを支える仲間です。
一方、黒幕となったジム・フェルプスは旧TVシリーズの主人公でもあったキャラクターで、本作で裏切り者に設定されたことは当時大きな衝撃でした。
武器商人マックスは逮捕されるものの、その娘アラナ・ミツォポリス(ホワイト・ウィドウ)が第6作『フォールアウト』と第7作『デッドレコニング PART ONE』に登場し、母マックスの後を継ぐ武器ブローカーとして物語に絡んできます。
また、IMF監督官キトリッジは本作以来登場していませんでしたが、最新作『ファイナル・レコニング』で実に25年以上ぶりにシリーズ復帰を果たし(第7作にも登場) 、初期作品とのつながりを感じさせます。
第2作 『M:I-2』(2000年)
イーサン・ハントは、盗まれた殺人ウイルス「キメラ」とその抗ウイルス剤「ベレロフォン」を奪還する新たなミッションに就きます。
このウイルスを盗んだのはIMFエージェントのショーン・アンブローズで、彼はウイルステロを企む裏切り者でした。
イーサンは任務のため、美貌の女泥棒ナイア・ノードフ=ホールをチームに加え、彼女にアンブローズの元恋人という立場から潜入させます。
やがてアンブローズの陰謀が明らかになり、シドニーで致死ウイルス拡散の危機が迫る中、イーサンは激しいカーチェイスと肉弾戦の末にアンブローズを倒し、ナイアに投与されたウイルスをギリギリで治療することに成功します。
主な登場人物と敵
- イーサン・ハント
IMFエージェント。ウイルス兵器拡散を阻止するミッションに挑む。 - ナイア・ノードフ=ホール
美しい女盗賊。アンブローズの元恋人で、イーサンの協力者となり潜入任務にあたる。 - ショーン・アンブローズ
元IMFエージェントで今回の敵。殺人ウイルス「キメラ」と抗ウイルス剤を強奪し、大金目当てでウイルス拡散を企む裏切り者。イーサンとは顔も姿も似せられるほど訓練を共にした過去があり、その策を見抜かれていく。 - ルーサー・スティッケル
イーサンの相棒のハッカー。今作でも引き続き作戦をサポートする。 - ミッション司令官スワンベック
IMFの指揮官的存在。イーサンに任務を与える(カメオ出演のアンソニー・ホプキンス)。
アンブローズのように「IMFエージェントが敵に回る」という展開は、第1作のフェルプスに続くシリーズ恒例の要素の一つ。
後の作品でも、身内や協力者の中から裏切り者が出現するパターンが度々見られます(例:第3作のIMF内部の裏切り者や、第6作のCIAエージェント=ジョン・ラークなど)。
物語上の直接的な他作品との絡みは少ないものの、本作で描かれたイーサンの成長や経験は後の物語につながっていきます。
また本作ではイーサンのロマンスとしてナイアが描かれましたが、彼女との関係はこの後語られず、第3作では新たにジュリアという婚約者が登場します。
これは作品ごとにヒロイン像が変遷するシリーズの特徴とも言えます。
第3作 『M:i:III』(2006年)
一線を退きIMFの訓練教官となっていたイーサン・ハントでしたが、教え子である若手女性エージェントのリンジーが任務中に敵に捕らわれたため、救出するため現場復帰します。
私生活では婚約者ジュリアとの結婚を控えていたイーサンでしたが、彼女には自分の素性を秘密にしたまま任務へ向かうことに。
救出作戦の過程で国際的武器闇商人オーウェン・デイヴィアン(フィリップ・シーモア・ホフマン)と因縁を持ったイーサンは、新たなチームを率いてデイヴィアンが狙う謎の兵器「ラビットフット」を巡る戦いに挑みます。デイヴィアンは報復としてジュリアを誘拐し、イーサンにラビットフット奪取を強要します。
イーサンは奮闘の末に上海でラビットフットを入手しますが、IMF内部にも内通者が潜んでいたことが発覚し(実は上司のブラッセル長官ではなく作戦指揮役のマスグレイブが裏切り者だった)、複雑な状況に陥ります。
最終的にイーサンはデイヴィアンとの死闘に勝利してジュリアを救出し、IMFの内通者マスグレイブも粛清されます。
ジュリアには自分がIMFスパイであることを打ち明け、二人は困難を乗り越え結ばれました。
主な登場人物と敵
- イーサン・ハント
IMFエージェント。婚約者ができ一線を退いていたが、教え子救出のため現場復帰し、危険な任務に挑む。 - ジュリア・ミード
イーサンの婚約者。一般人の看護師で、イーサンの本当の職業は知らない。物語後半で敵に誘拐され、人質にされる。 - オーウェン・デイヴィアン
非常に冷酷な国際武器商人で、本作のメイン敵役。最新兵器「ラビットフット」を巡りイーサンと対決する。捕らえたジュリアを殺すと脅してまで目的を果たそうとするが、最後は自らが命を落とす。 - ジョン・マスグレイブ
IMF上級職員で作戦の指揮官。実はデイヴィアンと内通していた裏切り者であり、IMF内部からイーサンを陥れようとしていた。 - ゼーン&デクラン
イーサンの新チームのフィールドエージェント(ゼーン役マギー・Q、デクラン役ジョナサン・リス=マイヤーズ)。イーサンと共に各地で作戦を遂行する。 - ルーサー・スティッケル
古くからのIMF仲間のハッカー。イーサンの要請で再び協力し、上海でのラビットフット奪取作戦などをサポートする。 - ベンジー・ダン
IMF技術支援担当。今回初登場し、遠隔からイーサンの任務をハッキング技術で支える(後に第4作以降で現場エージェントに昇格)。
第3作ではイーサンのプライベートが初めて深く描かれ、婚約者ジュリアとの関係がシリーズ全体の感情的な軸の一つとなりました。
ジュリアは本作でイーサンと結婚し、第4作ではその安全のため身を隠す展開、第6作『フォールアウト』では再登場するなど、シリーズを通じて重要な存在です。
IMF内部からまたもや裏切り者(マスグレイブ)が出た点は、第1作から続くシリーズのお約束展開と言えます。
一方で、本作からシリーズに加わったベンジー・ダン(サイモン・ペッグ)は、第4作以降イーサンの頼れる相棒としてチームに不可欠な存在となり、最新作『ファイナル・レコニング』まで継続して登場します。
デイヴィアンが求めた謎の兵器「ラビットフット」は結局明かされないままですが、そのような謎のマクガフィンもシリーズの定番要素となりました。
第4作 『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(2011年)
クレムリン(ロシア)での極秘作戦中、突如起きた爆破事件の嫌疑がイーサン・ハントとIMFにかけられます。
アメリカ大統領は事件への政府関与を否定すべく「ゴースト・プロトコル」を発動し、IMFは組織ごと全面的に“消去”され、イーサンたちエージェントは一切の援助を絶たれてしまいます。
孤立無援となったイーサンは、現場エージェントに昇格した技術者ベンジー・ダン、新メンバーのジェーン・カーター、そして素性の知れない分析官ウィリアム・ブラントと即席チームを組み、事件の黒幕に迫ります。
実は核戦争を目論む過激派の科学者カート・ヘンドリックス(コードネーム:コバルト)が陰で暗躍しており、彼はクレムリンから核ミサイルの発射装置を盗み出して世界を破滅させようとしていました。
ドバイの超高層ビルやムンバイの衛星制御センターを舞台にした死闘の末、イーサンたちはヘンドリックスが発射した核ミサイルを間一髪で阻止し、人類滅亡の危機を回避します。
事件後、IMFは復旧され、任務を終えたイーサンは密かに妻ジュリアと再会を果たしました(彼女の安全のため死んだことに偽装していたが、無事を見届ける)。
主な登場人物と敵
- イーサン・ハント
IMFエージェント。チームが濡れ衣を着せられ孤立する中、自ら指揮を執り任務を遂行する。 - ベンジー・ダン
IMFエージェント(元技術担当)。試験を経て現場に出るようになり、ガジェットの専門家かつムードメーカーとしてチームに貢献する。 - ジェーン・カーター
IMFエージェント。射撃や戦闘技術に秀でた女性スパイ。今回の作戦で同僚を殺されたことから敵に強い恨みを持ち、復讐心と使命感の間で葛藤する。 - ウィリアム・ブラント
IMF分析官を名乗る謎の男。実は高い戦闘能力を持つ元エージェントで、ある理由から内勤に回っていた。当初は秘密を抱えていたが、徐々に協力的な頼れる仲間となる。 - カート・ヘンドリックス(コバルト)
今回の黒幕。元核物理学者で過激な終末論者。クレムリン爆破と核ミサイル発射により人類滅亡を図る狂気のテロリスト。 - サビーヌ・モロー
フランス人の女暗殺者。ヘンドリックスの協力者で、冒頭でIMFエージェント殺害や重要機密の強奪に関与する。 - ルーサー・スティッケル
前作までの仲間のハッカー。今回はチームに直接加わっていないものの、ラストでカメオ登場し引き続きイーサンを支える存在であることが示唆される。
本作ではIMFが一時的に解体され、主人公たちが組織の支援無しに戦うというスリリングな展開が描かれました。
この「チームが追放され孤立して任務を遂行する」というプロットは、第5作『ローグ・ネイション』でもCIA長官によるIMF解散という形で踏襲されています。
クレムリン爆破事件の濡れ衣を着せられたことから始まる物語は、シリーズ第1作同様に主人公が容疑者として追われる構図にもなっており、原点へのオマージュとも言えます。
物語の結末では、イーサンの妻ジュリアが実は無事であることが観客と仲間に示され、彼女を巡るエピソードに一区切りがつきました。
このジュリアとの関係は第6作で再び重要な意味を持って登場することになります。
また、エンディングで言及される「シンジケート」という謎の犯罪組織は、次の第5作で本格的に物語の中心となり、シリーズを通じた大きな敵勢力として描かれます(第4作ラストでの伏線)。
なお、本作で新たに加わったブラントは第5作にも登場してチームを支えますが、第6作以降には登場せず(設定上は別任務に就いている)、シリーズから退く形となりました。
第5作 『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(2015年)
IMFは度重なる無謀な作戦行動を問題視され、CIA長官アラン・ハンリー(アレック・ボールドウィン)の提言によって組織の解体が決定してしまいます。
そんな中、イーサン・ハントは正体不明の国際犯罪組織「シンジケート」の存在を突き止め単独で追っていましたが、ロンドンで逆に敵の罠にかかり拉致されてしまいます。
拘束されたイーサンの前に現れた謎の美女イルサ・ファウストは敵に協力するふりをしてイーサンの脱出を手助けし、以降イーサンは彼女と不安定な協力関係を結びながらシンジケートの全貌解明に挑みます。
一方、IMFを吸収したCIAのハンリー長官はイーサンを危険人物として追跡し、元同僚のブラントやベンジーたちも葛藤の末にイーサン側に付いて秘密裏に協力します。
シンジケートの正体は各国政府が密かに計画した“もう一つのIMF”とも言うべき闇組織で、リーダーは元MI6エージェントのソロモン・レーンでした。
イーサン達はウィーンのオペラハウスやモロッコ・カサブランカでの死闘を経て、遂にロンドンでレーンをおびき出す作戦を実行します。
レーンは一時ベンジーを人質に取るなど追い詰めますが、最終的にイーサンはレーンを密閉ガラス箱に閉じ込めて無力化し、催眠ガスで捕獲することに成功します。
こうしてシンジケートは壊滅し、裏で暗躍していたMI6長官アトリーの不正も暴かれ、IMFは正式に再建される運びとなりました。
主な登場人物と敵
- イーサン・ハント
IMFエージェント。CIAに追われながらも単独でシンジケートと戦い続ける。 - イルサ・ファウスト
英国MI6の女性スパイ。シンジケートに潜入していたが疑惑を持たれ逃亡、以後イーサンと協力する。卓越した戦闘能力と諜報術を持ち、シリーズを通して重要な盟友となる。 - ベンジー・ダン
IMFエージェント。分析官としてCIAにいたが、イーサンを信じて彼の逃亡を手助けし再び現場に加わる。 - ウィリアム・ブラント
元IMFエージェント。ワシントンでIMF解体の議会公聴会に臨むが、水面下でイーサン支援に動く。 - ルーサー・スティッケル
IMFエージェント。物語後半でブラントと合流し、イーサン救出と作戦成功に貢献する。 - アラン・ハンリー
CIA長官。IMFを解体させイーサンを追う立場だったが、シンジケート事件の真相を知り最終的にイーサンらに協力するようになる(後にIMF長官に就任)。 - ソロモン・レーン
シンジケートの首謀者で元MI6エージェント。冷酷非情な策略家で各国政府要人の暗殺やテロを引き起こす。本作のラストでイーサンに捕えられる。 - シンジケートの構成員たち
レーンに従う各国のならず者スパイたち。中でも殺し屋ヤニク・ヴィンター(通称“骨折り屋”)はイーサンたちを執拗に苦しめる。 - MI6長官アトリー
英国情報局長官。シンジケート計画を極秘に立ち上げた張本人で、過去の責任を隠蔽するためイルサ抹殺を図るなど暗躍。
「ローグ・ネイション」はシリーズに長期的な敵対勢力をもたらしました。
秘密組織シンジケートとそのリーダー、ソロモン・レーンはシリーズ初の二作にまたがる敵となり、次作『フォールアウト』へ直接的に繋がるストーリー展開となります。
謎めいた女性スパイのイルサ・ファウストは本作で初登場し、第6作・第7作にも登場する重要人物となりました。
彼女とイーサンの間には信頼と友情(時にロマンスを匂わせる絆)が芽生え、シリーズ後半の見どころの一つとなっています。
第4作ラストで言及された「シンジケート」という伏線が本作で回収されただけでなく、レーン逮捕後に彼の部下たちは「アポストル」と呼ばれる新たなテロ組織へと姿を変え、第6作で再登場します。
IMFを巡る組織的な駆け引きも見所で、本作でIMF長官となったハンリー(アレック・ボールドウィン)は第6作で再登場しイーサンの良き理解者となります。
また、この第5作には直接登場しない初代のIMF長官ユージーン・キトリッジが、第7作(『デッドレコニング PART ONE』)でシリーズに復帰するため、本作までの出来事を踏まえて再びイーサンと相まみえることになります。
第6作 『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(2018年)
ソロモン・レーンの逮捕から2年後、彼の残党「アポストル」と名乗るテロ組織が台頭します。
彼らはプルトニウムを強奪し、世界の3都市で同時核爆発を起こそうと計画していることが判明します。
IMFに戻ったイーサン・ハント率いるチームは核爆発を阻止する任務を受けますが、その手掛かりとなるのは“ジョン・ラーク”という正体不明の黒幕の名だけでした。
任務の中でCIAはイーサンを信用せず、敏腕エージェントのオーガスト・ウォーカー(ヘンリー・カヴィル)を監視役に同行させます。
イーサンは情報屋ホワイト・ウィドウ(ヴァネッサ・カービー)からプルトニウム奪還のため協力を得る交換条件として、移送中のソロモン・レーンの奪還を手伝わされる羽目になります。
パリでの作戦でレーンをアポストルから横取りし、一時保護下に置いたイーサンたちでしたが、その過程でウォーカーこそがジョン・ラーク本人であり、レーンと内通していた真相が暴かれます。
ウォーカーは裏切りを露わにしてレーンを連れ逃亡、核爆弾の起爆装置を持ってヒマラヤ山中へ向かいました。
後を追ったイーサンたちは2つの核爆弾を停止させるため死闘を繰り広げ、イーサンはヘリコプターでの空中アクションの末にウォーカーを倒します。
ベンジーとイルサも協力してレーンを再び拘束し、核爆発は間一髪で阻止されました。
事件後、イーサンは作戦に巻き込んでしまった元妻ジュリアとも再会し、それぞれの道へと笑顔で別れるのでした。
主な登場人物と敵
- イーサン・ハント
IMFエージェント。前作から引き続きチームを率いて任務に当たる。プルトニウム奪還作戦では人類滅亡の危機に立ち向かい、自身も命懸けで敵を追う。 - オーガスト・ウォーカー(ジョン・ラーク)
CIAの派遣エージェント。表向きはイーサンの監視役だが、実はアポストルの黒幕「ジョン・ラーク」。超人的な戦闘力を持ち、イーサンと激闘を繰り広げる。 - ソロモン・レーン
前作の敵で元シンジケート首領。IMFに捕らわれていたが、アポストルに利用され再び暗躍する。復讐心に燃え、ウォーカーと結託して核テロを画策。 - イルサ・ファウスト
元MI6スパイ。レーン抹殺の任務を帯びて再登場し、イーサンと協力しつつ彼との絆も深める。敵対する局面もあるが最後は味方として尽力する。 - ベンジー・ダン
IMFエージェント。技術支援のみならず現場戦闘でも活躍。終盤では核爆弾の解除に奔走する。 - ルーサー・スティッケル
IMFエージェント。チーム最古参の一人。序盤でプルトニウムを守るため自ら人質となるなど、献身的に任務に貢献。後半ではジュリアとも協力する。 - アラン・ハンリー
IMF長官(前CIA長官)。イーサンを信頼し支援するが、中盤でウォーカーに殺害され殉職する。 - ホワイト・ウィドウ(アルァナ・ミツォポリス)
闇の武器仲介人。ロンドン社交界の顔だが裏では非合法取引を仕切る。実は第1作に登場した武器商人マックスの娘という設定であり、シリーズの過去と現在を繋ぐ存在となっている。 - ジュリア・ミード
イーサンの元妻。現在は新たな夫と共に医療支援活動に従事している。偶然テロ現場となったカシミールでイーサンと再会し、共に爆弾解除に協力する。
『フォールアウト』は前作『ローグ・ネイション』の直接的な続編であり、シリーズで初めて明確に前作のストーリーを引き継いだ作品です。
ソロモン・レーンという敵役が二度にわたり登場し、その残党組織アポストルも描かれることで、5作目から6作目にかけて一つの長い物語が完結しました。
ホワイト・ウィドウ(アルァナ)が実は第1作のマックスの娘だったという設定はファンを驚かせ、シリーズ全体の世界観に一貫性を持たせる巧みな要素となっています。
終盤にはジュリアが再登場し、イーサンが彼女に対して抱えていた負い目が解消されるという感動的な場面がありました。
これにより、第3作から続いたジュリアとの物語は事実上の完結を迎え、イーサンはスパイとしての人生に区切りをつけます。
また、本作での任務成功後、CIA長官だったハンリーが死亡したため、シリーズの体制にも変化が生じました。
『フォールアウト』まででトム・クルーズ演じるイーサン・ハントの物語は一応の集大成を見たかに思われましたが、次作では新たな形でシリーズ全体を振り返るような展開が待ち受けることになります。
第7作 『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』(2023年)
前作から数年後、人類を脅かしかねない新たな脅威が出現します。
それは各国の軍事・情報機関に密かに侵入し、偽情報やシステム攪乱によって世界秩序を根底から揺るがしている人工知能プログラム「エンティティ」でした。
IMFのイーサン・ハントは、この暴走するAIを制御または無力化する手段となる「鍵」を入手せよとの極秘指令を受けます。
その鍵は二つに分かれた特殊な鍵で、組み合わせることでエンティティの核心にアクセスできるとされ、各国が奪い合っていました。
イーサンは鍵の片割れを巡りアブダビ空港で女盗賊グレース(ヘイリー・アトウェル)と出会い、続いてローマやヴェネツィアで争奪戦を繰り広げます。
その途中、イーサンの前に現れたガブリエル(エスアイ・モラレス)という男は、かつてIMFに入る前のイーサンの過去を知る因縁の敵であり、エンティティと手を組んだ刺客でした。
ガブリエルはエンティティの意思を代行して動き、イーサンの大切な仲間イルサ・ファウストを殺害するなど容赦ない妨害を仕掛けます。
物語後半、オリエント急行の列車上で各勢力が激突し、イーサンは激闘の末に鍵の両片を手に入れることに成功します。
しかしエンティティそのものは依然手の内に残らず、ガブリエルも姿を消してしまいました。
イーサンは命がけで列車から脱出し、AI打倒への決意を新たにします。物語は次作へ持ち越し。
主な登場人物と敵
- イーサン・ハント
IMFエージェント。暴走するAI“エンティティ”を巡るミッションに挑む。 - グレース
国際的な女スリ師。鍵を盗んだことで事件に巻き込まれ、当初は自分勝手に行動するが次第にイーサンの仲間となっていく。 - イルサ・ファウスト
元MI6のスパイ。イーサンの盟友としてエンティティ追跡を支援するが、宿敵ガブリエルとの戦いで命を落としてしまう。 - ベンジー・ダン
IMFエージェント。ハッキング技術でエンティティの出現を追跡するが、AIによるシステム欺瞞に翻弄される場面もある。 - ルーサー・スティッケル
IMFエージェント。エンティティへの対抗策を見出すため一時チームを離れ単独行動に移るが、長年の友情でイーサンを陰ながら支える。 - ユージーン・キトリッジ
CIA副長官。かつてのIMF監督官で、本作でシリーズ第1作以来の復活登場を果たした。エンティティを政府の利益に利用しようと目論み、独自に鍵を手に入れようとする。 - アルァナ・ミツォポリス(ホワイト・ウィドウ)
武器ブローカー。エンティティの鍵取引を仲介しようとする。第6作から続いて登場し、母マックス譲りのしたたかさで自らも鍵を狙う。 - ガブリエル
本作の主たる敵の一人。エンティティに仕える暗殺者で、イーサンの過去に深く関わる人物。冷酷非情で、エンティティの示す未来に狂信的な信念を抱いている。 - エンティティ
各国のデジタルネットワークに潜伏する謎のAIシステム。自己進化によって人間には予測不能な“意思を持つ存在”となっており、シリーズ史上初の非人間の敵。あらゆるデータに干渉できるため、その制御権を巡り各国が血眼になっている。 - パリス
ガブリエルの部下の女殺し屋(ポム・クレメンティエフ)。無言の狂気をはらんだ戦闘員でローマ市中や列車内でイーサンたちに襲いかかる。終盤でガブリエルに見限られ重傷を負うが、最期の力でイーサンに手がかりを伝える。
『デッドレコニング』はそれまでのシリーズとは一線を画し、人工知能という現代的かつシリーズ最大級の脅威を描きました。
過去作からのキャラクターの再登場が多いのも特徴で、まず第1作以来のユージーン・キトリッジの再登場はファンを沸かせました。
キトリッジの存在はシリーズ初期と最新作を直接結びつけ、まさに「全てのミッションはここに繋がる」という宣伝文句を体現するものです。
さらに、第6作で登場したホワイト・ウィドウ(マックスの娘)も引き続き登場し、鍵争奪戦のキーパーソンとなっています。
第5作からイーサンの仲間となったイルサ・ファウストも引き続き登場しましたが、本作にて無念の死を遂げてしまい、シリーズに大きな衝撃を与えました(イルサの死はイーサンに深い悲しみを刻み、続く最終作での復讐劇を予感させます)。
『デッドレコニング』は二部作の前編であるため物語が完結せずに幕を閉じ、エンティティ打倒とガブリエルへの決着は次作に持ち越されました。
シリーズ全体として見れば、本作は旧来のスパイ組織VSテロリストの構図から人類VS人工知能という新たな図式への転換点であり、同時にシリーズの総決算へ向けた壮大な序章とも言えます。
第8作 『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』(2025年)
※本作は公開直後のため概要
二部作構成の最終章となる本作では、『デッドレコニング』から続く物語が描かれます。
エンティティを巡る前作の死闘から2か月後、イーサン・ハントとIMFチームは再び人類の命運を握るミッションに挑みます。
ガブリエルがエンティティを再び手中に収めようと暗躍しているとの情報を得たイーサンは、それを阻止すべく世界各地を奔走することに。
前作で入手した「鍵」に導かれ、エンティティ誕生の秘密が眠る場所へと向かうイーサンの前には、各国の思惑と新旧の敵・味方が入り乱れる最終決戦の舞台が待ち受けています。
物語の中でこれまでほとんど語られてこなかったイーサンの過去が明かされるとも予告されており、彼がIMFに加入するきっかけとなった因縁や、ガブリエルとの宿命の経緯にもスポットが当たる模様です。
シリーズおなじみのトム・クルーズ本人による体当たりスタントも健在で、小型プロペラ機に飛びつく空中アクションなど限界突破の見せ場が用意されています。
果たしてイーサンは究極のAI<エンティティ>を破壊し、人類を救うことができるのか。
そして30年近くにわたる“不可能なミッション”の物語はどのような決着を迎えるのか、目が離せません!
まとめ
最新作『ファイナル・レコニング』はタイトルが示す通りシリーズの“集大成”として位置付けられており、全ての過去作とのつながりを感じさせる内容になるとされています。
長年イーサンを支えてきたベンジーやルーサーといった仲間たち、第1作から復活したキトリッジ、第6作から登場したホワイト・ウィドウなど、歴代の主要キャラクターが一堂に会することでシリーズの歴史を振り返る要素が散りばめられています。
イーサン・ハント自身の背景にも踏み込み、第1作以前の過去やIMF加入の経緯が描かれることで、観客は改めて彼の人間像を知ることになるでしょう。
そして何より、最新技術の権化であるAI“エンティティ”との戦いは、冷戦時代のスパイ劇から始まったシリーズが現代のデジタル社会にまで射程を広げたことを示しています。
本作でシリーズはひとまず区切りを迎えるとされ、トム・クルーズ演じるイーサン・ハントの長き冒険にも決着がつく見込みです。
すべての“不可能なミッション”はこのフィナーレにつながる――観客は30年に及ぶシリーズの締めくくりを目撃することになります!