Netflix『地面師たち』どこまでが実話？本当の事件との違い

2024年7月25日に配信開始され、大好評のNetflixドラマ『地面師たち』。

このドラマは実際の事件をモチーフにしながらも、フィクションとしての要素を加えて、よりエンターテインメント性の高い作品となっています。

では、元ネタとなった事件はどのような事件だったのか？

どこまでが実話でどこからフィクションなのか？

事件の概要と実際とドラマの違いをまとめてみました！

※ネタバレを含みます。

元ネタとなった「積水ハウス地面師詐欺事件」

ドラマの元ネタとなったのは、2017年6月1日に発生した大規模な不動産詐欺事件、通称「積水ハウス地面師詐欺事件」です。

積水ハウスが東京都品川区五反田の土地を購入しようとした際、地面師と呼ばれる詐欺グループに約55億5千万円を騙し取られました。

詐欺の規模と対象

被害金額は、実際の事件よりもドラマのほうが約2倍ほど高くなっています。

実際の事件

東京都品川区五反田の旧旅館「海喜館（うみきかん）」跡地：約55.5億円の詐欺

ドラマ

東京都港区一等地の寺が所有する土地：市場価値100億円の詐欺

手口の特徴

ドラマでは、地面師たちの手口がより詳細かつドラマチックに描かれていますが、本物の地主の状況以外は、概ねの手口は元ネタ通りなのではないかと思います。

土地所有者へのなりすまし

ドラマでは、地主がホストに入れ込んでいるという状況を利用しましたが、実際の事件では、本物の地主が末期ガンで入院中という状況を利用しました。

偽造書類の巧妙な作成

戸籍、住民票、印鑑登録証明書、固定資産評価証明書など、必要な書類を巧妙に偽造しました。こちらは、ドラマで同様に描かれました。

綿密な計画と役割分担

地面師グループ内で明確な役割分担があり、組織的に詐欺を実行しました。こちらもドラマで同様に描かれました。

犯人グループのミス

積水ハウス社内では、事件発覚前から、以下のような不審点が指摘されていました。

• パスポートの表記の不一致
• 偽の所有者による自身の誕生日や干支の間違い
• 住所の書き間違い
• 預金小切手による決済
• 取引相手の会社や代表者の変更

ドラマでもいつバレてもおかしくないヒヤリとする場面がちょこちょこありましたね。

詐欺が成功した要因

知人による確認

不動産取引において、「知人による確認」は地面師対策として一般的に実施される重要な手順です。（所有者の写真を近隣に見せ、本人であることを確認する）

ターゲットとなった土地は、長年その地域に存在していた物件であり、近隣住民による確認が容易だったはずですが、積水ハウスはこの重要な手順を怠りました。

ドラマでも売買を急ぐあまり、確認を省略した場面は描かれています。

「社長案件」としての認識

社長による飛び越し承認があったことで、社内では本案件が「社長案件」と呼ばれるようになり、通常の承認体制が適切に機能しなくなっていたようです。

社長決裁があったことで、通常のリスク管理プロセスが軽視され、「正体不明の取引相手の承認」、「預金小切手による支払い」などの問題点が見過ごされました。

ドラマでも、この案件を社長が大きく後押ししたことで契約成立時期を早めています。

警告の無視

真の所有者から4通の内容証明郵便が積水ハウスに送られていましたが、積水ハウスはこれらの警告を「土地売買を知った者による妨害行為」と判断し、対応として、偽の所有者から「内容証明郵便を送っていない」旨を記載した確約書を入手する程度の対応しか取りませんでした。

むしろ、これらの警告を受けて、残代金の決済日を約2か月早めることにしました。

この出来事も少し状況は違いますが、ドラマでは最終的に信じ込ませることができるかどうかの重要なシーンとして描かれています。

犯人の逮捕

実際の事件

主犯格とされるカミンカス操をはじめ、詐欺グループのメンバー計10人が逮捕されました。

ドラマ

個々のメンバーの具体的な結末は明確に描かれていませんが、なんとなく予想できるような描写がありました。

• ハリソン山中（演：豊川悦司）：逃亡
• 辻本拓海（演：綾野剛）：逮捕（自首？）
• 麗子（演：小池栄子）：おそらく死亡
• 後藤（演：ピエール瀧）：おそらく死亡
• 竹下（演：北村一輝）：死亡
• 長井（演：染谷将太）：逃亡

事件後

実際の事件

旭化成グループが正式な所有者から土地を取得し、高層マンションを建設しました。

この事件を契機に、不動産取引における本人確認の重要性が改めて認識されることとなり、不動産業界や一般社会に大きな影響を与えました。

ドラマ

担当責任者だった部長（山本耕史）が死亡。

所有者は誰にも土地を売却しなかった。

原作紹介

ドラマには、元ネタとなった事件とまた別に原作も存在します。

ドラマとはキャラクターの設定や物語の展開が違ったりしますが、ドラマ同様、一気に楽しめる作品です。

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続編はある？

ドラマ版の続編に関する具体的な制作情報は、現時点では公表されていませんが、以下の2点から可能性は十分あると思っています。

ちなみに原作の続編はこちら▼

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まとめ

今回は、Netflixドラマ『地面師たち』の元となった事件とドラマとの違いについてまとめてみました。

ドラマは、実際の事件を題材にしながらも、エンターテイメント性を重視した作品です。

事件の全てがドラマに忠実に再現されているわけではないので、あくまでフィクション作品であることを理解した上で、ドラマの世界を楽しんでください！

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