モールワールドとは?世界中の人が見る同じ夢に共通する場所・特徴15選

モールワールドとは?

夢の中で、現実には存在しない巨大なショッピングモールを歩いたことはありませんか?

店はたくさん並んでいるのに、何を売っているのかよく分からない。

エスカレーターに乗っても目的の階へ着かず、出口を探しているうちにホテルや学校、空港のような場所へ迷い込んでしまう。

初めて訪れたはずなのに、なぜか道順を知っている――。

近年、世界中の人々が、このようなよく似た夢を見ているとして話題になっています。その夢の舞台につけられた名前が、「モールワールド(Mall World)」です。

SNSや海外掲示板では、

「私も子どもの頃から同じような場所を夢で見ている」
「夢の中にいつも同じフードコートが出てくる」
「モールの奥にホテルやウォーターパークがある」
「見覚えのある場所が地図に描かれていて驚いた」

といった体験が数多く投稿されています。

ただし、世界中の人がまったく同じ場所を共有していると科学的に確認されたわけではありません。現時点では、似た夢を見た人たちがインターネット上で体験を照らし合わせている現象です。

それでも、面識のない人々の夢に似た場所や感覚が繰り返し登場するというのは、不思議に感じられます。

この記事では、モールワールドとは何か、夢の中で報告されている共通の場所や特徴、なぜ多くの人が似た夢を見るのかを紹介します。

モールワールドとは?

モールワールドとは、世界中の人々が夢の中で訪れると語っている、巨大なショッピングモールのような空間です。

一般的なショッピングモールの夢とは異なり、建物の構造が現実ではあり得ないほど複雑なのが特徴です。

例えば、次のような場所として語られています。

  • どこまでも続く売り場
  • 出口へたどり着けない通路
  • 途中で途切れた階段
  • 閉店した店が並ぶフロア
  • モールとつながったホテル
  • 空港や駅のような乗り場
  • 巨大なプールやウォーターパーク
  • 扉や仕切りのない広いトイレ

すべての人がまったく同じ場所を見るわけではありません。

しかし、「モールだけでなく、ホテルや学校、空港などが一つにつながっている」「知らない場所なのに以前も来たことがあると感じる」といった共通点が多く報告されています。

海外掲示板Redditには、モールワールドの夢について情報を共有するコミュニティ「The Mall World」があります。

このコミュニティは2021年9月に作られ、利用者が自分の見た場所を文章や画像、地図などで紹介しています。

Reddit「The Mall World」

モールワールドが話題になったきっかけ

モールワールドが広く知られるきっかけの一つになったのが、アメリカ・テキサス州のアーティスト、ジェシカ・ティルトンさんです。

ティルトンさんは、夢の中で繰り返し訪れていた巨大な施設の地図を作成し、TikTokへ投稿しました。

地図にはショッピングモールだけでなく、学校、病院、空港、ホテル、遊園地、駐車場、地下市場、劇場、海なども描かれていました。

動画が投稿されると、

「この場所を知っている」
「自分が見ている夢とよく似ている」
「同じような階段やフードコートを見た」

という反応が相次ぎました。

動画は100万回以上再生され、TikTokやRedditで数千人が似た夢について語ったと報じられています。

The Week「Mall World」

ここからは、モールワールドの夢に登場すると報告されている場所や特徴を紹介します。

モールワールドの夢に共通する場所・特徴15選

1.どこまでも続く巨大なショッピングモール

モールワールドの中心にあるのが、終わりの見えない巨大なショッピングモールです。

何階まであるのか分からず、通路を歩いても同じ場所へ戻ってしまいます。

店内は大勢の人でにぎわっている場合もあれば、閉店後のように誰もいない場合もあります。

現実にある複数の商業施設が混ざったように見えるものの、どの場所とも完全には一致しません。

2.目的地へ着かないエスカレーターや階段

非常に長いエスカレーターや、途中で途切れている階段もよく語られます。

上の階へ行こうとしたのに別の売り場へ着いたり、階段を上り続けても目的の場所へたどり着けなかったりします。

高すぎる場所や急角度の階段が現れ、落ちそうな恐怖を感じたという体験談もあります。

3.出口が見つからない

モールから出ようとしても出口が見つからないのも、共通する特徴の一つです。

「出口」と書かれた扉を開けたのに、別の売り場や地下通路へ入ってしまうことがあります。

ようやく外へ出られても、別の大きな建物や駐車場が続いていて、モールワールドそのものからは抜け出せません。

4.閉店した店が並ぶ暗いフロア

人の多い明るい売り場から離れると、閉店した店が並ぶ暗いフロアへ出ることがあります。

照明が点滅していたり、シャッターが閉まっていたりして、廃墟のように感じられる場所です。

地下や上層階へ進むほど店が少なくなり、雰囲気が不気味になるという報告もあります。

5.見覚えのあるフードコート

モールワールドの中心や決まった階に、広いフードコートが現れることがあります。

食べ物が並んでいるものの注文方法が分からなかったり、列に並んでも自分の順番が来なかったりします。

現実で知っている飲食店に似た看板があっても、店名や商品が微妙に異なる場合もあるようです。

6.異常に広いトイレ

モールワールドの報告で特に多いのが、異常なほど広い公衆トイレです。

トイレには次のような特徴があります。

  • 便器が広い部屋に無造作に並んでいる
  • 個室の扉がない
  • 仕切りが低くて周囲から見える
  • 床が水浸しになっている
  • 壊れた便器やシャワーがある
  • 更衣室や浴室とつながっている
  • 奥へ進んでも出口が見つからない

Redditでも、壊れたトイレや水に関する夢はモールワールドでよく語られるテーマだと指摘されています。

Reddit「Mall Worldの水とトイレに関する投稿」

7.モールとつながった巨大ホテル

モールの奥へ進むと、そのままホテルへ入ってしまうことがあります。

ホテルには長い廊下と無数の客室があり、自分の部屋番号を思い出せません。

エレベーターに乗っても希望する階に止まらず、知らない宴会場、カジノ、レストランなどへ着くこともあります。

何度も同じ部屋へ宿泊している感覚があるという人もいます。

8.室内のプールやウォーターパーク

モールワールドには、水に関係する場所も頻繁に登場します。

なかでも多いのが、建物内にある巨大なプールやウォーターパークです。

ウォータースライダーが異常に高かったり、プールがホテルや駐車場とつながっていたりします。

水が濁っている、施設が古びている、遊んでいる人がほとんどいないなど、不安を感じさせる状態で現れることもあります。

9.迷路のような学校

モールを歩いているうちに、いつの間にか学校へ移動している場合があります。

学校では、

  • 教室が見つからない
  • 時間割を覚えていない
  • 試験に遅れそうになる
  • 卒業したはずなのに授業を受けている
  • 廊下や階段がどこまでも続く

といった出来事が起こります。

学校の夢自体は珍しくありませんが、モールやホテルと同じ建物内につながっている点がモールワールドらしい特徴です。

10.空港とショッピングモールが混ざった場所

空港も、モールワールドでよく報告される場所です。

出発時刻が迫っているのに搭乗口が見つからず、巨大なターミナル内を歩き続けます。

案内板を読めない、荷物を忘れる、手続きが終わらないなど、焦りを感じる展開もあります。

空港なのに売り場やホテルが続き、どこから飛行機へ乗るのか分からないこともあります。

Reddit「Airport World」

11.巨大な駐車場や高速道路

建物の外には、何層にも分かれた立体駐車場や、複雑に交差する高速道路が広がっています。

自分の車をどこへ止めたか分からなくなったり、正しい道を選んだはずなのにモールへ戻ってきたりします。

車で移動しても出口が見つからず、同じ道路を何度も走る夢を見る人もいます。

12.遊園地や劇場

モールワールドには、遊園地、映画館、劇場、ゲームセンターなどの娯楽施設も登場します。

遊園地の乗り物は動いているものの、施設全体が閉鎖されているように見える場合があります。

映画館へ入っても上映が始まらなかったり、途中で映像が止まったりして、最後まで作品を見られないという報告もあります。

13.初めてなのに道順を知っている

モールワールドでは、現実には存在しない場所なのに「以前もここへ来た」と感じることがあります。

店の場所や通路の先を覚えており、夢の中でも迷わず移動できる場合があります。

目覚めてからも建物の配置を思い出せるため、夢で見た世界を地図に描く人もいます。

14.夢が毎回少しずつ続いている

同じ場所が一度だけ現れるのではなく、何年にもわたって夢の続きを見るという体験談もあります。

以前は入れなかった場所へ次の夢で入れるようになったり、新しい建物が増えていたりします。

夢を見るたびに世界の範囲が広がり、一つの街や地域のようになっていくこともあるようです。

15.懐かしさと不安を同時に感じる

モールワールドを見た人が語る感覚として特徴的なのが、「懐かしいのに不安」というものです。

子どもの頃に訪れた商業施設のような親しみを感じる一方で、いつまでも外へ出られない焦りや、何かに追われているような恐怖を感じます。

見覚えがあるようで、実際には思い出せない場所という点が、不思議な懐かしさにつながっているのかもしれません。

モールワールドは本当に世界共通の夢?

モールワールドは「世界中の人がまったく同じ夢へ入っている」と紹介されることがあります。

しかし、現在確認できるのは、複数の人が似た特徴を持つ夢を報告しているということです。

全員が同じ空間を訪れていることや、夢の中で実際にほかの人と会っていることが証明されたわけではありません。

投稿を詳しく見ると、モールの広さやホテル、空港、トイレなどの共通点がある一方、建物の構造や夢の内容は人によって異なります。

そのため、「完全に同じ夢」というより、共通の要素を持つ夢がモールワールドという名前でまとめられていると考えたほうが正確です。

なぜ多くの人が似た夢を見るのか?

モールワールドの正体については、いくつかの説があります。

多くの人が似た建物を利用してきたから

最も現実的な説明は、多くの人がショッピングモール、学校、ホテル、空港などの似た建物を利用しているためです。

これらの施設には、共通する構造があります。

  • 長い廊下
  • 同じような店や部屋
  • 上下階をつなぐ階段
  • 大勢の知らない人
  • 複数の出入口
  • 行き先を示す案内板

夢の中では、過去に見た複数の場所や記憶が組み合わされます。

その結果、現実のどこにも存在しない巨大な複合施設が作られても不思議ではありません。

ジョンズ・ホプキンス大学で心理学・脳科学を教えるディラン・セルターマン氏は、多くの人が歯の抜ける夢など似た夢を見ることや、モールが日常的に訪れる場所であることから、夢に登場するのは特別に奇妙なことではないと説明しています。

The Week「専門家による見解」

現代人に共通する不安が表れているから

モールワールドでは、「目的地へ着けない」「出口が見つからない」「時間に遅れる」といった出来事がよく起こります。

これらは、現代人が抱える焦りや不安と重なります。

仕事や学校でのプレッシャー、将来への迷い、人間関係などが、出口のないモールや乗り遅れそうな空港として夢に表れている可能性があります。

SNSで見た情報が夢や記憶に影響するから

モールワールドを知ったあと、似た夢を見るようになった人もいるかもしれません。

地図や体験談、AIで作られた不気味なモールの画像を見れば、そのイメージが記憶に残り、夢へ取り込まれる可能性があります。

また、もともとは少し違う夢だったとしても、ほかの人の体験談を読んだことで、共通している部分が強く印象に残ることも考えられます。

マンデラエフェクトと同様に、人間の記憶は保存された映像のように固定されているわけではなく、思い出すたびに再構成されます。

集合的無意識でつながっているという説

都市伝説的な説として語られているのが、心理学者カール・ユングの「集合的無意識」との関係です。

集合的無意識とは、人間の心の奥には個人の経験を超えた共通の領域があり、普遍的なイメージやパターンが存在するという考え方です。

モールワールドは、現代人の集合的無意識に作られた共有空間ではないかと考える人もいます。

さらに、

  • 夢の中に実在する別世界
  • パラレルワールド
  • 複数の人がアクセスする仮想空間
  • シミュレーション世界の共通エリア
  • テレパシーによる共有夢

などの説もあります。

ただし、集合的無意識やテレパシーによって同じ夢を見ていると証明する証拠はありません。現時点では、あくまで心理学的な考え方や都市伝説として語られている説です。

モールワールドとリミナルスペースの関係

モールワールドは、「リミナルスペース」とも深い関係があります。

リミナルスペースとは、廊下、待合室、閉店後の商業施設など、本来は人が通過するための場所に誰もいないことで、不思議な懐かしさや不安を感じる空間です。

モールワールドにも、

  • 人のいないフードコート
  • 閉店した売り場
  • 暗いホテルの廊下
  • 誰もいないプール
  • 終電後のような駅
  • 夜の立体駐車場

など、リミナルスペースに近い景色が多く登場します。

「見たことがある気がするのに、どこなのか分からない」という感覚が、モールワールドの不気味さを強めています。

モールワールドとバックルームの違い

モールワールドと似たものとして、「バックルーム」というインターネット都市伝説があります。

バックルームは、現実世界から誤って抜け落ちた人が、黄色い壁と蛍光灯のある無限の部屋へ迷い込むという創作です。

比較項目モールワールドバックルーム
主な舞台モール、ホテル、学校、空港など黄色い壁の無限空間
始まり複数の人が語る夢の体験インターネット上の創作
入る方法眠って夢を見る現実から誤って抜け落ちる設定
人や生物買い物客などがいる場合もある怪物がいるという設定が多い
世界観人によって内容が異なる創作として設定が共有されている

どちらも、無限に続く空間や出口が見つからない恐怖を扱っています。

ただし、バックルームが最初からインターネット上の創作として広がったのに対し、モールワールドは「自分も似た夢を見た」という体験の共有から広がった点が異なります。

モールワールドの夢を見たか確認するポイント

次の項目に心当たりがある場合は、あなたが見た夢もモールワールドと呼ばれるものに近いかもしれません。

  • 巨大なショッピングモールを何度も夢で見る
  • 出口を探しても外へ出られない
  • モールからホテルや学校へ移動する
  • 空港で搭乗口を探し続ける
  • 広すぎるトイレや更衣室が出てくる
  • 建物内に巨大なプールがある
  • 同じフードコートを繰り返し訪れる
  • 初めての場所なのに道順を知っている
  • 以前に見た夢の続きを見る
  • 目覚めたあとも地図を描けるほど鮮明に覚えている
  • 懐かしい気持ちと不安を同時に感じる

ただし、いくつか当てはまったからといって、超常現象を体験したと断定できるわけではありません。

夢に名前をつけて楽しみながら、自分の記憶や心理を振り返るきっかけとして捉えるのがよいでしょう。

まとめ

モールワールドとは、世界中の人が夢の中で訪れると語っている、巨大なショッピングモールのような空間です。

夢には、モールだけでなくホテル、学校、空港、ウォーターパーク、広いトイレなどが登場します。

また、

  • 出口が見つからない
  • 初めてなのに道順を知っている
  • 毎回同じ世界の続きを見る
  • 懐かしさと不安を同時に感じる

といった共通点も報告されています。

しかし、複数の人が本当に同じ夢の空間へ入っていると確認されたわけではありません。

多くの人が似た施設を利用してきたこと、現代人に共通する不安、SNSで見た情報の影響などによって、似た夢が作られている可能性があります。

一方で、なぜ面識のない人々の夢に、ホテルやプール、広すぎるトイレなどの似た場所が繰り返し現れるのか、すべてが明らかになったわけでもありません。

この記事で紹介した場所を、あなたも夢で見たことがあるでしょうか。

次に眠ったとき、いつもの夢の先に、出口のない巨大なモールが待っているかもしれません。