Netflix【極悪女王】プロレス界の裏側?”ブック”の存在

9月19日からNetflixで配信が開始された『極悪女王』。

1970〜80年代の女子プロレスの隆盛期を背景に、”最恐ヒール”として知られるダンプ松本さんの知られざる物語を描いています。

皆さんはもうご覧になりましたか?

ドラマの中で頻繁に出てくる「ブック」という言葉、気になった方も多いのではないでしょうか。

最初は、「ん?ブック?」と思いましたが、文脈的に”台本“みたいなことか、と理解しました。

確かに昔からプロレスの勝敗については、事前に決まっているというのはまことしやかに囁かれていること。

実際のところはどうなのでしょうか?

今回は、このプロレス界の禁断の言葉「ブック」について、詳しく探ってみたいと思います。

「ブック」とは一体何なのか?

「ブック」とは、簡単に言えばプロレスの試合における「台本」や「筋書き」のようなものを指します。

類似の表現として「ケーフェイ」という言葉もあるよう。

また、ドラマでは出てきませんでしたが、反対に台本のない真剣勝負のことを「ガチンコ」や「ピストル」と呼ぶそうです。

しかし、これらの言葉の存在自体がプロレス界では非常にセンシティブな話題みたいです。

プロレス関連の方によると、「プロレスファンの間でも、この話題は議論やケンカが絶えない禁断の単語」なのだとか。

実際、ファンの間でも意見が分かれているようです。

「ブック」の正体とは?

「ブック」は主にプロレスの試合をショーとして成立させる上で守らねばならない裏の取り決めを表す言葉です。

具体的には、試合上のストーリーや、試合展開の大まかな流れを決めることを指します。

  1. 選手同士の対立や友情、裏切り
    長年の友人だった2人が、何かのきっかけで敵対する
  2. 師弟同士の戦い
    長年にわたって師匠のもとで技を磨いてきた弟子が、師匠を超えるために挑戦状を叩きつけ、激しいバトルを繰り広げる
  3. 仮面レスラーの正体暴露
    仮面をかぶった謎のレスラーの正体が思わぬ人物であったり、ライバル関係にある選手だったりする
  4. ダークサイドへの堕落
    もともと正義のヒーローだったレスラーが、試合中に精神的なショックや裏切りを受けて、ダークサイド(悪役)に堕ちる

などが「ブック」の例として挙げられます。

おそらく、勝敗はそのストーリーの一部として組み込まれているだけで、目的としては試合全体をよりドラマチックに盛り上げるための演出なんですね。

また、試合そのものは観客の反応を見ながら進められるため、すべてが完全に決められているわけではなく、試合の流れやフィニッシュは選手の裁量に任される部分もあるようです。

ファンの反応は様々

しかし、この「ブック」の存在自体について、ファンの意見は大きく分かれています。

プロレスは真剣勝負。八百長なんてあり得ない

エンターテインメントなんだから、台本があっても構わない

このように、それぞれのスタンスがあり、今でも議論が続いています。

業界用語としての「ブック」

注目すべきは、近年のプロレス業界では「ブック」という言葉はあまり使われなくなっているという点です。

しかし、「極悪女王」のドラマでは頻繁に使われていましたね。

これについて、プロレス関連の方は「ドラマの舞台となる全日本女子プロレス(全女)時代を忠実に再現すると、ドラマとしては地味になってしまう。そのため、『ブック』の存在を認めた脚本になったのではないか」と分析しています。

「ブック」と「八百長」は違う?

ここで注意したいのは、「筋書きがある」ことと「八百長」は必ずしも同じではないということです。

プロレスは確かにエンターテインメントですが、選手たちは真剣に戦っています。

観客を楽しませるための「演出」と、試合の激しさや選手の技術は両立するものなのだと思います。

まとめ

プロレス界の「ブック」、なかなか奥が深いですね。

ドラマ「極悪女王」では、この言葉が多用されていましたが、実際のプロレス界ではもっと複雑な事情があるようです。

プロレスを楽しむ上で、「ブック」の存在を意識するかしないかは個人の自由。

ただ、選手たちの真剣さや技術の高さは間違いなく本物です。

そこを理解した上で、プロレスの魅力を存分に楽しんでいただければと思います。

最後に、ドラマはあくまでフィクション。

リアルなプロレス界とドラマの世界、それぞれの魅力を楽しむのもいいのではないでしょうか。

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