【ウルヴァリン:X-MEN ZERO】あらすじ・登場人物・ネタバレ含む解説

『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』は、X-MEN映画シリーズのスピンオフ作品であり、特に人気キャラクターであるウルヴァリンの起源を描いています。

この映画は、ウルヴァリン(ローガン)がどのようにして不死身のミュータントになり、アダマンチウムの骨格を持つことになったのか、その過程を詳しく描いています。

また、彼の兄弟的な関係にあるセイバートゥースとの因縁や、ウィリアム・ストライカーの暗躍も描かれています。

基本情報


監督ギャヴィン・フッド
主要キャストヒュー・ジャックマン(ローガン / ウルヴァリン役)
リーヴ・シュレイバー(ビクター・クリード / セイバートゥース役)
ダニー・ヒューストン(ウィリアム・ストライカー役)
リー・デイスン(ゼッパ役)
ライアン・レイノルズ(ウェイド・ウィルソン / デッドプール役)
公開年2009年
製作費約1億5,000万ドル
興行収入約3億7,400万ドル(全世界)
配信サービスDisney+
※Disney+以外もアプリ内課金にて配信多数有り

前提設定

X-MENシリーズでは、人類とミュータントという2つの異なる種族が存在するという前提設定があります。

ミュータントとは

遺伝子の突然変異によって特別な能力を持つ人々を「ミュータント」と呼びます。

ミュータントの能力は多岐にわたり、テレパシーやテレキネシス、超人的な力や治癒能力などそれぞれ持っている能力は異なります。

ミュータントは一般の人類から恐れられたり、差別されています。

あらすじ

19世紀半ば、カナダの広大な森に囲まれた大邸宅。ジェームズ・ハウレット(後のウルヴァリン/ローガン)は、裕福な家庭に育った病弱な少年です。父親ジョン・ハウレットと母親エリザベスとともに平穏な日々を送っていましたが、ある夜、この平穏が破られます。

深夜、屋敷内に銃声が響き渡り、ジェームズが駆けつけると、父親ジョンが倒れているのを目撃します。その場には近所に住むトーマス・ローガンという男性がいて、彼がジョンを撃ったことは明らかです。トーマスはジェームズの母親と関係を持っていたため、この一連の出来事は激情に駆られたものと予想されます。

父の死を目の当たりにしたジェームズは、怒りと悲しみで感情が爆発し、自身のミュータント能力を初めて発現させます。彼の両手から骨でできた鋭い爪が突き出し、初めて自分の中に眠る特殊な力に気づきます。

彼自身もその力に戸惑いを感じますが、ジェームズはトーマスに襲いかかり、爪で彼を刺し殺します。しかし、トーマスは死ぬ間際に、ジェームズに対して自分が実の父親であることを告げます。この告白はジェームズにさらなる混乱と苦痛をもたらし、彼のアイデンティティに深い傷を残します。

その後、ジェームズは家を飛び出し、彼を追ってきたトーマス・ローガンの息子・異母兄ビクター・クリード(後のセイバートゥース)と共に逃亡を決意します。こうして、2人の長い旅と戦いの歴史が始まるのです。

2人は、アメリカ南北戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦、ベトナム戦争など多くの戦争に参加しながら互いの絆を深め、生き抜いていきます。

ベトナム戦争中、ローガン(ジェームズ・ハウレット)とビクター(セイバートゥース)は、彼らの暴力性とミュータント能力が、軍規に反する行動を引き起こし、投獄されていました。このとき、ウィリアム・ストライカー大佐が彼らを訪ねてきます。

ストライカーは、ローガンとビクターの能力に目をつけ、特別な任務を遂行するための精鋭部隊「チームX」への参加を提案します。チームXには、他のミュータント、ウェイド・ウィルソン(デッドプール)、フレッド・J・デュークス(ブロブ)、ジョン・レイス(ウィル・アイ・アム)、クリス・ブラッドリー(ボルト)がいました。

チームXは、高度な能力を活かして危険な任務を次々と遂行していきました。

ナイジェリアでの作戦では、チームはアダマンチウムの鉱石を手に入れるために、武装した反政府勢力と対決。しかし、任務の非倫理的な性質と残虐性が、ローガンの道徳観に反し、彼は次第にチームに対する疑念を深めていきます。

任務が終わった後、ローガンはストライカーと対立し、チームを離れる決断をします。

彼は戦いから離れ、カナダの山中で恋人ケイラ・シルバーフォックスと静かな生活を始めます。

数年後、ストライカーが再びローガンを訪ねてきます。ストライカーは、チームXの元メンバーが次々と殺されていることを伝え、ビクターが犯人であるとほのめかします。

ローガンは最初は協力を拒むが、恋人ケイラがビクターに殺されたことをきっかけに激高。復讐を誓い、ストライカーのもとを訪れます。

ストライカーはローガンに、ビクターを止めるためには、アダマンチウムを骨格に注入する必要がある(「ウェポンX」計画)と提案します。

ローガンはこの提案を受け入れ、強力な不死身の身体を手に入れますが、ストライカーの真の意図は、ローガンを超兵士として完全に支配することだったのです。

アダマンチウムの移植後、ローガンはストライカーの意図に気づき、激怒します。ストライカーはローガンを「ウェポンX」としてコントロールしようとしますが、ローガンはこれに反抗し、研究施設から脱出します。

ローガンは逃亡中にストライカーの基地の所在地を突き止めるため、かつてのチームXのメンバーであるジョン・レイス(ウィル・アイ・アム)やフレッド・J・デュークス(ブロブ)を訪ねます。レイスからは、ストライカーの基地に関する手がかりを得ることができました。

そんな中、ローガンは、ニューオーリンズでレミー・ルボー(ガンビット)に出会います。ガンビットはかつてストライカーの基地に捕らえられていたことがあり、その場所を知っていました。最初は協力を拒んでいたガンビットも、最終的にはローガンを基地に連れて行くことに同意します。

ガンビットの飛行機から降り立ったローガンは、単独で基地に突入します。彼は警備を突破し、ストライカーの計画を暴くために内部へと進んでいきます。

ローガンがストライカーの基地に潜入した後、殺されたと思われていたケイラ・シルバーフォックスが実は生きていることが明らかになります。

ローガンは基地で彼女に再会し、ケイラはストライカーの命令でローガンを騙していたことを告白します。妹エマが人質に取られていたためストライカーに従うしかなかったこと、自分もミュータントであること、そしてローガンへの愛は本物だったことを伝えます。

ケイラの真実を知ったローガンは怒りと悲しみを感じながらも、彼女が本当に愛していたことを理解します。

ケイラと協力し、ローガンはストライカーの基地に囚われていた他のミュータントたちを解放します。彼らはストライカーの計画の一環として、実験材料として利用されていました。

基地では、ストライカーが「ウェポンXI」としてウェイド・ウィルソンを改造していました。ウェイドは多くのミュータントの能力を移植され、デッドプールと呼ばれる強力な存在となっていました。

ストライカーは、改造されたウェイド・ウィルソン(デッドプール)を送り込み、ローガンを始末しようとします。ローガンはビクターと協力してデッドプールと戦い、激しい戦闘の末に彼を倒し、ストライカーの計画を阻止します。

ストライカーは最終手段として、ローガンの記憶を消去するためにアダマンチウムの弾丸を使用します。これにより、ローガンは自分の過去やケイラとの関係、そしてストライカーの陰謀に関する記憶を全て失ってしまいます。

ケイラは最終的に致命傷を負いながらも、能力を使い、ローガンを守ります。ケイラは、触れた相手の心を操る能力を持っており、自分の意志とは無関係に遠くまで歩き続けることをストライカーに命じます。

記憶を失ったローガンは混乱しながらも基地から脱出します。基地を脱出した後、ローガンはガンビットと再会します。ガンビットはローガンの混乱を目の当たりにしながらも、彼を助けるために近くの医療施設へと連れて行きます。すべての記憶を失ったローガンは、ケイラが倒れていても助けることなくその場を離れてしまいます。

映画の最後では、記憶を失ったローガンが新たな道を歩む姿が描かれます。彼は自分の過去や本当のアイデンティティを探すための旅を続けることになります。

このラストシーンは、ローガンが新たな冒険と自己発見の旅を始めることを示唆しており、彼の未来に対する期待感を抱かせます。

まとめ

この作品は、シリーズの中でもウルヴァリンというキャラクターの深い背景や人間性を掘り下げるために制作されました。

ウルヴァリンのファンにとっては、彼の過去や内面を理解するための重要な作品となっています。また、他のX-MENシリーズとの繋がりも持ちながら、独立した物語として楽しむことができる作品となっているので、まだ見ていないという方はぜひご覧ください!